株を売買すると、その値差によって譲渡益と譲渡損が発生します。
譲渡益とは、1株100円で買って、150円で売れたような場合を指します。この場合だと、譲渡益は50円ですね。
譲渡損とは、上の事例とは逆で、1株100円で買って、50円で売るような場合を指します。この場合は50円損した取引だったと言えます。
このように、株は配当や株主優待以外にも、売買することで利益を狙うことができます。こうした売買を通じて得た譲渡益をキャピタルゲインと言います。
実は、このキャピタルゲインを更にオトクに得る方法があります。
目次
▶1.キャピタルゲインにかかる税金
▶2.NISAとは
▶3.まとめ
▶4.One More Comment
1.キャピタルゲインにかかる税金
先日書いた「副業と確定申告」という記事で少し言及しましたが、サラリーマンの方でも「給与+20万円以上」の収入があると確定申告をしなければなりません。
では確定申告をするとどうなるのか?ですが、キャピタルゲインに対しては20.315%の税金がかかります。20.315%の内訳ですが、所得税が15.315%でこれは所得税と復興特別所得税0.315%の合計です。残り5%が住民税となります。
復興特別所得税は東日本大震災の被災者救援の財源確保を目的に2011年12月に公布・施行された増税分です。細かい説明は今回の趣旨ではないので別の機会に譲ります。
いずれにせよ、株の売買を通じて年間(1月1日~12月31日)で20万円以上の利益を得ることができた場合、20.315%の税金を納めなければなりません。
(所得税と住民税は納め方と時期が異なりますが、これも別の機会に)
20万円の20.315%ですと、税金分が40,630円となり、実質あなたの手元に残る金額は159,370円となります。かなり大きな出費ですよね・・。
2.NISAとは
2017年7月現在、今の政府は国民の投資を後押しする政策を取っています。具体的には企業や機関ではなく、個人の投資を促そうとしています。ですが、あまりに税金が多いと投資を抑制してしまう。
そこで考えられたのが、一定額の投資に対してはこの20.315%を非課税にするという仕組み。この仕組みがNISA(ニーサ)なのです。
NISAは正式には「少額投資非課税制度」と言いますが、この単語は誰も覚えていません。
覚えておくべきは、NISAと書いてニーサと読むこと、NISAは120万円の投資枠に対して非課税としますが、この枠は投資の世界では少額と考えられているという規模感です。
ですが、少額と言っても一個人にとっては1万円でも大きなお金です。
(1万円どころか、硬貨1枚に着目している当サイトではお札は高額です)
で、個人にとっては大きなそのお金を有効利用するためには、これから投資をしてみようという方はNISAを是非活用してみましょう。
NISAには具体的には3つの制度が用意されています。
NISA | 年間120万円の投資枠までは非課税。既に運用開始中。 |
ジュニアNISA | 未成年の子供のためのNISA。年間80万円の枠まで。18歳まで払い出し不可。2016年から運用開始。 |
つみたてNISA | 年間40万円の枠。2018年1月から運用開始予定。 |
これら3つの制度の違い、特徴についてはまた後日ご説明します。
以上述べたようにNISAは譲渡益に対しての非課税という優遇がありますが、メリットだけではないので注意が必要です。具体的には「損益通算ができない」という点です。
通常の口座で譲渡損を出した場合、別の取引で得た譲渡益と足し算引き算ができます。これを損益通算と言います。
損益通算をすることにより、例えば、Aという株の譲渡益で20万円、Bという株の譲渡損で5万円というのが年間の投資結果だった場合、あなたの年間譲渡損益は「20万円 - 5万円 = 15万円」となり、確定申告をしなくても済むようになります。
NISAの枠で購入した場合、このB株の取引きのように譲渡損が発生しても損益通算ができないため、A株の取引き20万円の譲渡益に対して確定申告を行い、税金の納付が必要になります。
こうしたデメリットや使い勝手、使い分けについても後日まとめるように致します。
3.まとめ
株の購入には手数料が必要になります。
多くのネット証券会社では、NISA口座での購入には手数料0円を謳うケースがあり、税金面の他、手数料面でも優遇されています。
デメリットもあるものの、適切に利用すればメリットが際立つ制度ですので、少しでもオトクに過ごすには避けては通れない制度です。
今回は説明を割愛しましたが、実は配当に対しても非課税を実現できます。
よって、キャピタルゲインを狙う方だけでなく、インカムゲインを狙う長期投資の方にも非常に有効な手段です。
4.One More Comment
つみたてNISAが始まることにより、老後への備えとして、確定拠出年金/iDeCoや個人年金保険を補完する選択ができるようになります。
考えることは多くなりますが、その分、ファイナンシャルリテラシーという知恵をつけるかつけないかで、人生をどれだけゆたかに過ごせるかが変わってきます。特に大それた学歴や、大きなコネなどを持っているわけでもない一庶民の私にとっては、ファイナンシャルリテラシーを身に着けることはいい暮らしをするためのチャンスとも言えます。
折角なので、楽しみながらこうした新しい制度を活用したいものです。
それでは、明日も良い日を!